MID RACING R50 EVOは、従来のR50をベースに日本国内での製造へ移行し、ホイールの構造や細部の設計を見直した17・18インチの5本スポークホイールです。
R50、R50 TypeS、R50 EVOは、いずれも5本スポークという基本デザインを共有しています。しかし、製法やサイズ展開は同じではありません。
特に購入前に知っておきたいのは、R50やTypeSにあった17インチの5穴・P.C.D.100が、R50 EVOには設定されていないことです。また、18インチでもリム幅やハブ径が変わっているため、従来モデルと同じ感覚で選ぶことはできません。
この記事では、MID公式資料をもとにR50 EVOの進化した部分を確認し、17・18インチのサイズと価格、重量、GR86・BRZなどのブレーキ対応、従来R50から交換する際の違いを整理します。

MID RACING R50 EVOはR50・TypeSから何が変わったのか
R50 EVOを理解するうえで、まず確認したいのが従来モデルとの関係です。
初代R50は、力強い5本スポークとレッドラインを組み合わせたモデルでした。その後に登場したR50 TypeSでは、セミグロスブラックのカラーとグリーンを基調としたステッカーを採用し、外観の選択肢を広げています。
一方、R50 EVOでは製造技術やスポーク構造そのものが見直されました。
| 項目 | R50 | R50 TypeS | R50 EVO |
|---|---|---|---|
| 基本形状 | 5本スポーク | 5本スポーク | 再設計した5本スポーク |
| インチ | 15・16・17・18 | 15・17・18 | 17・18 |
| 製法 | キャストフローフォーミングなど | キャストフローフォーミングなど | MATプロセス |
| カラー | ブラック/レッドライン、ホワイト/レッドライン | セミグロスブラック | ブラックメタリック、ハイパーシルバー |
| 特徴 | 骨太なスポークとレッドライン | グリーン系ステッカーによる外観変更 | 日本製、サイドカット、ローレット加工 |
※従来R50は15・16インチが通常の鋳造1ピース、17・18インチがキャストフローフォーミングです。TypeSは15インチが通常鋳造で、17・18インチがキャストフローフォーミングです。
この違いから、TypeSはR50の外観を変えた派生モデルとしての性格が強く、R50 EVOは製造と構造の変更に踏み込んだモデルと捉えられます。
各モデルの仕様は、MID公式のR50製品情報とR50 TypeSの製品情報で確認できます。
日本製になったR50 EVOはENKEIが製造
R50 EVOでは、日本のホイールメーカーであるRAYSの開発・設計思想と、ENKEIの製造技術が採用されています。
製造を担当するのはENKEIで、ホイールには「MADE IN JAPAN」と「ENKEI」の刻印が施されます。

採用されている製法はMATプロセスです。
MATプロセスはENKEI独自のリム成形技術で、リム部分の材料強度を高め、薄肉化による軽量化を可能にする製法です。
ただし、R50 EVOは鍛造ホイールではありません。ENKEIの製造技術紹介でも、MATプロセスと鍛造(FORGED)は異なる製法として区別されています。
製法を詳しく確認したい場合は、ENKEI公式のMATプロセス解説が参考になります。
5本スポークの形状も従来R50とは異なる
R50 EVOは、正面から見ると従来のR50と同じ系統の太い5本スポークです。しかし、斜めから見るとセンター部分への落ち込みとスポーク側面の形状が異なります。

メーカーが説明している主な変更点は、スポーク側面からセンター股部へ続くサイドカット、深く落とし込まれたセンター形状、スポークとリムの接続部分です。
これらは外観の変更だけでなく、不要な材料を取り除く軽量化設計にも関係しています。
特にセンター周辺は、スポークの根元からハブ付近まで連続する立体的な形状になっています。従来R50のデザインを踏襲しながらも、造形を再設計した部分です。
ローレット加工はタイヤのずれを抑えるためのもの
R50 EVOのリムにはローレット加工が採用されています。
ローレット加工は、タイヤのビードと接する部分に細かな凹凸を設ける加工です。強い加速や減速などでタイヤがホイールに対して滑る現象を抑える目的があります。
サーキット走行などで大きな駆動力や制動力を扱う場合には、注目したい仕様です。
ただし、ローレット加工があるからといって、タイヤのずれを完全に防止できるわけではありません。また、装着するタイヤとの組み合わせや適切な空気圧管理も必要です。
R50 EVOの17インチ・18インチのサイズと価格
MID公式に掲載されているR50 EVOのサイズは17インチと18インチです。
17インチは7Jと7.5J、18インチは7.5Jから10.5Jまで用意されています。
P.C.D.は100、114.3、120の3種類ですが、インチとリム幅によって選べる組み合わせが異なります。
以下はMID公式製品ページに掲載された仕様を整理したものです。価格はいずれも1本あたりの税込メーカー希望小売価格です。
17インチは4穴100と5穴114.3を設定

| サイズ | インセット | 穴数・P.C.D. | ブラックメタリック | ハイパーシルバー |
|---|---|---|---|---|
| 17×7J | +45 | 4H-100 | 50,600円 | 57,200円 |
| 17×7J | +45 | 5H-114.3 | 50,600円 | 57,200円 |
| 17×7.5J | +45 | 4H-100 | 51,700円 | 58,300円 |
| 17×7.5J | +48 | 5H-114.3 | 51,700円 | 58,300円 |
17インチで見落としたくないのが、5H-100の設定がないことです。
従来R50とR50 TypeSには17×7J +48・5H-100が掲載されていますが、R50 EVOでは同じ組み合わせを選べません。
一方、4H-100には17×7J +45と17×7.5J +45があります。

ロードスターなどの4H-100車で検討する場合は、この2サイズが確認対象になります。
18インチは8.5J・9.5J・10.5Jまで展開
| サイズ | インセット | 穴数・P.C.D. | ブラックメタリック | ハイパーシルバー |
|---|---|---|---|---|
| 18×7.5J | +45 | 5H-114.3 | 58,300円 | 64,900円 |
| 18×8.5J | +45 | 5H-100 | 60,500円 | 67,100円 |
| 18×8.5J | +38 | 5H-114.3 | 60,500円 | 67,100円 |
| 18×8.5J | +45 | 5H-114.3 | 60,500円 | 67,100円 |
| 18×9.5J | +0 | 5H-114.3 | 62,700円 | 69,300円 |
| 18×9.5J | +10 | 5H-114.3 | 62,700円 | 69,300円 |
| 18×9.5J | +38 | 5H-114.3 | 62,700円 | 69,300円 |
| 18×9.5J | +45 | 5H-120 | 62,700円 | 69,300円 |
| 18×10.5J | +12 | 5H-114.3 | 64,900円 | 71,500円 |
| 18×10.5J | +22 | 5H-114.3 | 64,900円 | 71,500円 |
18インチでは、比較的リム幅の小さい7.5Jから、10.5Jのワイドサイズまで用意されています。
ただし、9.5Jには+0、+10、+38、+45の設定があり、インセットによってホイールの位置は大きく変わります。
例えば同じ9.5Jで比較すると、+38に対して+0はホイール全体が38mm外側へ移動する計算です。
そのため、5H-114.3という条件が一致しても、同じ車両にすべてのサイズを無加工で装着できるという意味ではありません。
なお、MID公式サイトとRAYS英語版の掲載情報には、18×7.5J・5H-114.3のインセット表記に相違が見られます。MID公式表と製品コードでは+45が確認できる一方、RAYS英語版の表には+48という記載があります。注文時にはメーカー品番「EMDR87557345BLMN」などを販売店に伝え、最新仕様を確認してください。
最新の設定や価格は、MID公式R50 EVOのサイズ・価格表で確認できます。
GR86・BRZ、ロードスター、WRX STIで選ぶ場合の注意点
R50 EVOの公式サイズ表には、各サイズのキャリパークリアランスに関する参考記号が掲載されています。
これは購入時に役立つ情報ですが、キャリパー対応と車両全体の装着可否は別です。

特にR50 EVOでは、車種によって選べるインチやP.C.D.が限られるため、確認する順番が重要になります。
GR86(ZN8)・BRZ(ZD8)は18×8.5J +45を確認
GR86とBRZは5H-100を採用しています。
R50 EVOの18インチで該当する設定は、18×8.5J +45・5H-100です。
MID公式のキャリパー対応欄には、このサイズに対してGR86・BRZ(ZN8/ZD8)のBremboブレーキに関する参考記号が掲載されています。
そのため、該当ブレーキを装着した車両で検討する際の候補になります。
ただし、メーカーが示しているのはブレーキクリアランスの参考情報です。タイヤサイズや車高、フェンダーとの位置関係まで保証するものではありません。
また、R50 EVOに17インチの5H-100はありません。
GR86・BRZで17インチを希望する場合は、MID RACINGの別モデルも候補になります。例えば、MID RACING TR50のサイズ・製法・価格では17×7.5J +40・5H-100の設定を確認できます。ただし、こちらも実車のブレーキ仕様に応じた適合確認が必要です。
NDロードスターは17×7Jと7.5Jの違いに注目
NDロードスターは4H-100を採用しており、R50 EVOでは17×7J +45と17×7.5J +45が確認対象になります。

特に17×7.5J +45には、メーカー公式のキャリパー対応欄にNDロードスター/124 SpiderのBremboブレーキに関する記号が付いています。
ただし、17×7J +45と17×7.5J +45は、インセットが同じでもリム幅が異なります。
7.5Jは7Jより0.5インチ広く、ホイール中心位置が同じであればリム端は内外にそれぞれ約6.35mm広がる計算です。
使用するタイヤ幅や純正ホイールとの差を確認したうえで選択する必要があります。
WRX STIやランサーエボリューションはインセットを優先して確認
18インチの5H-114.3には、WRX STIやランサーエボリューションなどを想定したブレーキ対応記号が掲載されています。
例えば18×8.5J +38にはWRX STIの4ポットブレーキに関する記号があり、18×9.5Jの一部サイズには4ポット・6ポットの参考記号が付いています。
しかし、ブレーキが収まることとフェンダーから突出しないことは同じではありません。
特に18×9.5J +0や18×10.5J +12は、リム幅が広いうえに外側へ張り出しやすい設定です。
車両の型式、ブレーキの種類、車高、装着するタイヤを確認し、販売店で実車との適合を判断してもらう必要があります。
従来R50からR50 EVOへ交換するならハブ径とリム幅も確認
従来R50を装着している車両でR50 EVOへの交換を考える場合、ホイール名が似ていることよりも、現在装着しているサイズとの違いが重要です。
実際にMID公式表を比較すると、P.C.D.が同じでもリム幅やハブ径が異なる設定があります。
| 項目 | 従来R50 | R50 EVO |
|---|---|---|
| 17インチ・5H-100 | 17×7J +48 | 設定なし |
| 18インチ・5H-100 | 18×8J +45 | 18×8.5J +45 |
| 18インチ・5H-120 | 18×8.5J +45 | 18×9.5J +45 |
| 5H-120のハブ径 | φ72.6mm | φ64.1mm |
18インチ・5H-100では0.5インチ幅が広くなる
従来R50の18×8J +45から、R50 EVOの18×8.5J +45へ交換するケースを考えます。
インセットはどちらも+45ですが、リム幅は0.5インチ広くなります。
1インチは25.4mmなので、0.5インチは12.7mmです。
ホイール中心位置が同じ場合、リム幅の増加は内側と外側に均等に分かれるため、リム端は内外それぞれ約6.35mm広がる計算になります。
つまり、同じインセットだから交換後もホイールの端が同じ位置になるわけではありません。
これはリムの公称幅とインセットに基づく理論値で、タイヤ側面の張り出しやスポークの突出は含みません。
5H-120はハブ径が72.6mmから64.1mmへ変わる
さらに注意したいのが5H-120です。
従来R50の18×8.5J +45・5H-120はハブ径がφ72.6mmですが、R50 EVOの18×9.5J +45・5H-120はφ64.1mmです。
両者はP.C.D.とインセットが同じでも、リム幅とハブ径が異なります。
車両側のハブ外径がホイールのセンターボアより大きい場合、そのまま装着することはできません。
反対にセンターボアが車両側より大きい場合でも、使用するハブリングや取付座面、ナット・ボルトの仕様などを確認する必要があります。
このようにR50 EVOは、従来R50からホイールだけを入れ替えれば済むとは限らないモデルです。
R50 EVOの重量は何kgなのか
R50 EVOの重量については、2026年10月時点で確認したMID公式製品ページに、各サイズのホイール単体重量は掲載されていません。
一方、自動車専門誌REVSPEEDは、2026年の東京オートサロンで紹介されたR50 EVOについて、従来R50と比較し、18インチの同サイズで約1kg軽量化されたと報じています。
この情報は軽量化の方向性を知るうえで参考になりますが、7.5J、8.5J、9.5J、10.5Jそれぞれの実重量を示すものではありません。
また、現在公開されているR50とR50 EVOの公式サイズ表では、同じインチでもリム幅の設定が異なるものがあります。記事中の約1kgという比較値を、すべてのサイズに当てはめることはできません。
報道内容はREVSPEEDのR50 EVO紹介記事で確認できます。
メーカー公式から確認できる軽量化に関係する仕様は、MATプロセス、スポーク側面のサイドカット、センター部分の形状最適化です。
なお、公式サイズ表には530kg、690kg、720kgといった表示荷重記号に関する数値があります。これはホイール1本の重量ではないため、混同しないよう注意してください。
購入するサイズの正確な重量が必要な場合は、該当するメーカー品番を指定して、メーカーまたは販売店に確認する必要があります。
ブラックメタリックとハイパーシルバーは1本6,600円差
R50 EVOに設定されているカラーは、ブラックメタリック(BLM)とハイパーシルバー(HSI)の2種類です。
従来R50のブラック/リムレッドラインやホワイト/リムレッドライン、TypeSのセミグロスブラックとは異なるカラー構成になっています。
R50 EVOの公式サイズ表では、同じサイズならハイパーシルバーの方がブラックメタリックより税込6,600円高く設定されています。
| 購入本数 | BLMとHSIの価格差 |
|---|---|
| 1本 | 6,600円 |
| 2本 | 13,200円 |
| 4本 | 26,400円 |
例えば18×8.5Jの場合、ブラックメタリックは税込60,500円、ハイパーシルバーは税込67,100円です。
4本のメーカー希望小売価格は、ブラックメタリックが242,000円、ハイパーシルバーが268,400円になります。
これらはホイール単体の希望小売価格であり、タイヤ、取付工賃、必要に応じた部品代は含まれていません。
また、付属品はNo.4 MID Racingセンターキャップ、ブラックのエアバルブ、ステッカーセットです。
公式画像ではステッカーを貼った仕様と貼っていない仕様が掲載されているため、購入前に両方の外観を比較しておくとよいでしょう。
販売店によって実売価格や在庫状況は異なります。楽天市場でMID RACING R50 EVOの販売価格と在庫を確認することもできます。
R50 EVOを選ぶべきか、従来R50や別モデルを選ぶべきか
R50 EVOは、従来R50の5本スポークデザインを好みながら、MATプロセスやローレット加工、日本製という仕様を重視する人にとって検討する価値のあるモデルです。

一方で、単純に新しいR50 EVOがすべての用途で従来R50より適しているとは限りません。
例えば17インチ・5H-100を希望する場合、R50 EVOには該当設定がありません。15・16インチを選びたい場合も同様です。
また、従来R50のレッドラインやTypeSのグリーン系ステッカーを気に入っている場合、R50 EVOは外観の方向性も異なります。
同じ5本スポークで別のサイズ構成を比較したい場合は、MID RACING TR50のサイズ展開と製法も確認できます。
そのほかのMID RACING製品は、MIDホイールのモデル別記事一覧から探せます。
R50 EVOの購入を決める場合は、最初に自分の車両のP.C.D.と穴数、必要なリム幅を確認し、その次にインセット、ハブ径、キャリパークリアランスを照合するのが適切です。
特にGR86・BRZの18×8.5J +45、NDロードスターの17×7.5J +45、ワイドサイズの9.5J・10.5Jなどは、メーカーの参考記号だけで装着を断定せず、タイヤを組む前にホイール単体での仮合わせを行うことが推奨されています。
また、MID公式のR50 EVOサイズ表には、開発中のため仕様が変更される可能性がある旨の記載が残っています。掲載サイズが注文可能かどうかも、購入時に確認してください。
最新の仕様はMID公式のR50 EVO製品ページで確認できます。
希望するサイズとカラーが決まっている場合は、楽天市場でMID RACING R50 EVOの取扱状況を確認することもできます。


